独りでいたがる瑞希でも、興味本意でベンチから動かずにいたわけだが。
いきなり誉が立ち上がる。
しゅばっ、とジャンプするように立ち上がり。
「いちばん、ホマレ!グレます!おらおらおらぁ!」
のど自慢での自己紹介のような威勢を持って、誉は花壇の雑草を抜き始めた。
根っこからではなく葉を千切っては捨ての繰り返し。不良品芝刈機の真似事を誉は小さな手でしていた。
「……」
「グレるーっ」
「なに、してんの」
言動の意味が分からないと瑞希が声をかけた時だった。
愛くるしい目が初めてこちらを向いて、気付いた。
「泣いてる?」
「だから、グレるのっ」
愛くるしい目に溜まる涙。先ほどしゃがんでいたのは蟻の行列を見ていたわけでなく、泣いていたからと知る。


