「やり返して何が悪い。やり返さなきゃ、つけあがって――」
我慢していればいるほど、相手は調子に乗る。何をしても許されると。
――やられたくなかったから、やったんだ。
みんなが敵。誰一人として、信用できない奴ら。偽善しかしらぬ子、触れ合いを嫌い、独りでありたかった――最初からの一人ぼっちは、先生の言うことなど理解できなかった。
八つ当たり気味にバスタオルを投げる。室内よりも日が当たる屋外が温かいかと、瑞希は外に出た。
広い庭。遊具なんかブランコしかなく、小さな子たちがブランコに乗りたいと順番待ちをしていた。
取り合いにならないのは先生の教えあってか。何気ないルールでも、ああして順番待ちをし――「どうぞ」と「ありがとう」を言える子を見て、瑞希は呆気に取られたことを覚えている。


