「地雷があるから歩くな、と言う理不尽ねぇ」
歩いただけで足を無くすような不条理。今回は右腕骨折だが、酷いのは変わりない。
「不可抗力にもならない憂さ晴らしで、瑞希ちゃんが突き飛ばしたあの子、バスケが出来なくなったじゃない」
「……、あいつ、部活なんか入ってません」
「そんな話になったら、いよいよ瑞希ちゃんに土下座してもらわなきゃねぇ」
ピタリと立ち止まる先生。なんだと、瑞希とて足を止めた。
「『目には目を、では生易しい』」
瑞希の言葉を反芻する先生は笑顔だが、警戒色が赤になる。
まずいと瑞希が思って逃げようにも、首根っこを鷲掴みにされた。
「うぇっ」
「誰かを突き落とす手なんか切りたいとこだけど――瑞希ちゃんには、誰かを撫でてあげられる喜びを知ってほしいから」


