ヤンヤンデレデレ



「羊の皮を被った狼くんだなんて、みっともないだけよ」


「……。この方が、何をしても許されるでしょう?」


ため息一つ。やはりこの人には無理かと、瑞希は顔を上げる。


小学四年らしい顔立ちでも、目付きは悪く、今にも何かに噛みつく野犬の眼差しであった。


「あいつが悪いんですよ。女みたいな名前だの顔だの。行く先々でそう言われるのは予想していましたが。あまりにもしつこい幼稚さに、つい」


やってしまったと、落とした時を思い出したか、瑞希の唇が綻ぶ。


「手を出さなければ何もしない、ゴミに手など出したくないから」


「ただのちょっかいを許せないほど、心が狭いのねぇ」


「目には目を、だなんて生易しい。いい社会勉強でしょう。世の中、理不尽だらけ。何かをされたくなければ、何もしない方がいいんだ」