麗しの彼を押し倒すとき。



“それ” はジョニーさんの額を直撃したあと床へ落ちて、2、3回跳ねてからコロコロと床を転がった。



「ジョニーおかわり」


直後そんな声が聞こえて振り向くと、無表情のまま凪ちゃんが空になったマグカップを差し出している。



「ちょっと凪、俺の飴投げたでしょ。机にあったの4つなのに、3つになってる」

「あんま食うと糖尿病になる」

「煙草よりは身体にいい!」

「じゃあ虫歯…」

「残念だけど一本もない!」


ジョニーさんは何やらじゃれあっているなっちゃんと凪ちゃんに、「ったく、お前ら俺は忙しいだよ」ブツブツ言いながらも、凪ちゃんの手からマグカップを受け取った。



「ジョニー、こっちも」

「あ!じゃあ俺もプリンアラモードー!」


すかさず椿となっちゃんも注文を入れ、仕事の増えたジョニーさんがため息を吐く。



「お前らなー、食い過ぎなんだよいっつも」

「いーじゃん、俺らいないとこの店潰れるでしょ」

「バーカ。そんな簡単に潰れるかっての」


なっちゃんの失礼な言葉にも笑って答えるあたり、なんたかんだいってジョニーさんは大人だな、と思いながら凪ちゃんが投げたらしい棒キャンディーを拾った。