麗しの彼を押し倒すとき。



「な、何がっ! 凪ちゃんは分かんないかもしれないけれど、私だって色々変わったんだよ。
背だって伸びたし、ほら、さっき凪ちゃんが言ったようにちょっと太ったし、それにあの頃と違って胸だってドーンとおっきく……なる予定で、」

「……柚季、重い」


そこまで言って、吐き出された声にハッとなった。


人の上に馬乗りになったまま、何を熱弁してるんだ、私は。


凪ちゃんのお腹辺りに跨りながら、自分の小さな胸のあたりで手を動かして大きな胸アピールをしているこの状況下に、色々と穴を掘って潜りたい気持ちになる。

ボンっと染まるように分かりやすく真っ赤になった私は、そそくさと身体の上から降りると少し横で正座になった。

そんな私を見てまたくすりと笑い、凪ちゃんが起き上がる。



「これ見たら分かるだろって思って」


片膝を立て、その上に肘をつき悪戯に笑う。

私が真っ赤な顔を上げると、一枚の写真が長い指に摘まれ、楽しそうにぴらぴらと揺れていた。



「写真……?」


差しだされたのを受け取ると、そこには小さい頃の私と小さい頃の凪ちゃんが写っている。


何でこれが?


小さな疑問が浮かぶと同時に、一本の線となって消えていく。


パッと写真から顔を上げると、凪ちゃんは「柚季、おかえり」そう言って美しく笑うだけだった。