麗しの彼を押し倒すとき。



……やっぱり、そこには硬い筋肉の板しか感じられない。


こうなると、考えられる答えは一つしかなかった。

そう、凪ちゃんが本当は男だった、ということだ。



「そんな…」


自分の中でたどり着いてしまった最悪の結末に、頭の先から血の気が引いていく。



「こら、聞いてんのか淫乱女」

「……」

「おい」

「……聞いてない」

「は?」

「凪ちゃんが、お、男だったなんてっ…聞いてないっ!」


彼を押し倒しているという事実なんか、とうの昔に忘れた私は青ざめながら叫ぶ。




「……ふっ」


今にも泣き出してしまいそうな感覚に陥っていると、私の下敷きになったままの男……この際、凪ちゃんと認めざるを得ない男がおかしそうに吹き出した。

こっちは全然楽しくないって言うのに、不覚にもその綺麗な顔を崩して笑う姿は、昔の凪ちゃんそのものだから悔しくなる。



「何がおかしいのっ!」

「いや、柚季は変わらないなって思って」


少し笑いを押さえた凪ちゃんが答える。

意外にも読めそうにないと思っていたその瞳は、優しく私を映していた。