麗しの彼を押し倒すとき。



扉を開けて先に中へと入ったふなもっちゃんの後へと続く。

あれだけ騒がしかったのに、私が教室に入ると一瞬で静まってしまった。



「おー、何だお前ら。今日はやけにおとなしいな」


そう言ってふなもっちゃんが出席簿を教卓の上に置いた。

何度転校を繰り返しても、やっぱりこの時だけは緊張する。

私を見定めるようなたくさんの視線に、どくどくと心臓が脈を打った。



「もう知ってると思うが、今日からこのクラスに女子が一人増えることになった」


それまで教卓に手をついて喋っていたふなもっちゃんが、こっちを見て言葉を発した時だった。



「うっわー!マジじゃん!」

「え!女子とかサイコー!」

「誰だよ、矢田アッコみたいな巨人兵だって言った奴!ゲロマブじゃん」

「俺は超巨漢の女だって聞いたんだけど!」


さっきまでシンとしていた教室が突然騒がしくなった。

次々と喋り出す男子生徒に、今までになかった騒がれ方だな。なんて少し冷静に分析してしまう。