麗しの彼を押し倒すとき。



転校生としての第一歩を踏みしめる。大きな門をさわやかに通過する……その前に、私は地面に頭からスライディングを決め込んだ。



「…ぐぇっ」


なんとも女子とはかけ離れた声を出しながら、まだ校門しか拝んでいない学校の地面と、がっつり接吻。

もちろん自分から好んでスライディングなんてしないし、ましてや地面とキスなんてしたくもなかった。

それは突然背後から与えられた衝撃で、仕方なくそうせざるを得なかっただけであって、

前方へと吹っ飛んだせいで身体に走る物理的な衝撃以外にも、「今モンスターのものまねしたヤツ誰!?めっちゃ似てんじゃん!」なんて精神的に追い込む声が、倒れて動けない私の耳に届く。


初めて知った。あたしのうめき声はどうやらモンスター並みらしい。



「うわー…悲惨」

「生きてんの?」


その他にもさまざまな声が聞こえてきて、身体の痛みより心に負ったキズで、起きるに起きれない。