ミカエルはあたりを見回しながら歩いていた。できるだけ、景色を目に焼き付けられるように。




神殿を取り囲む都の、あのきちんと整備された街道とは対照的に、ミカエルの踏みしめる道は角張った石でごろごろしていた。



黒々とした水が道の端をちろちろと流れている。その流れに沿って歩いていくと、さびれた公園に突き当たった。



公園で遊んでいた子供たちは、ミカエルを見つけると逃げるように散っていった。誰が指示したわけでもなく、本能的にである。





「なんとかしなくては……」


独り言だ。誰かに聞いてほしかったわけじゃない。ただ、勝手に言葉が漏れた。