神殿に帰ると、さっそく三人は神の元へ向かった。




巨大な両開きの扉の前には護衛が四人。



たった四人かと思うが、実は部屋の中にこそ大量の護衛がいるのだ。




ミカエルやイフェフィア、ザクザガエルはもちろん難なく中へ入ることができる。



彼らは『御前天使』という特別な称号を持ち、神が行う重要な仕事に携わったり、神と会議で同席することを許されている。




ミカエル、イフェフィア、ザクザガエルの他に御前天使はあと四人おり、七人全員が御前天使を意味する『Angels of Presence』からとり『P』の字の刻まれたルビーを身につけている。




「御前は中にいらっしゃいますか」



左の護衛にミカエルが問い掛ける。




「はい。ただいま中におられます」



神は基本的に神殿の中の自室に籠もり、滅多にこの部屋から出てくることはない。



「そうですか。それでは失礼します」



ミカエルは扉を叩くとこう言った。




「ミカエル、イフェフィア、ザクザガエル、ただいま視察より戻って参りました!」




しばらくの沈黙のあと、神は短くこう言った。




「中へおいでよ」





護衛の二人が、両側から扉を開けた。