よく考えたら、成瀬くんていつも寝てるし、今まで話す機会もなかったもんね。




「「「 え? 」」」





(……?)




「初めてで、あんた
 あんなナチュラルに絆創膏渡したの?」


「…?うん」


「あんな何考えてるか分かんない
 話しかけずらい成瀬に?」


「……?うん」




「さすが希花…」




そう呟く千瑛ちゃんの声と同時に
6時間目開始のチャイムが鳴る。




「あ!やばっ!」


急いでジャージに腕を通す千瑛ちゃんを横目に思わず首を傾げた。




(成瀬くんってそんなに不思議な人かなぁ…?)




「行くよ、希花!」


「、はーい」




(まぁ、いっか)



わたしと千瑛ちゃんは、急いで体育館まで走ったのだった。