「まぁオレは基本、
何でも食えるからな!!」
確かに、原くん、そんな感じ。
いつでも健康そうだし、
だから体も大きいんだろうな。
― キーンコーンカーンコーン
「ほら、授業始めんぞー
着席着席」
5時間目の授業の先生が入ってきて、皆が一斉に自分の席に戻る。
「タマイさんも、もう一個食べる?」
「……食べたい!」
あんこのあめ玉を、成瀬くんからこっそり受け取る。
― パク
(ほんと、おいしい…)
「成瀬くん、ありがと」
「………ん」
5時間目の現代文は、このあめ玉のおかげで、何とか寝ないで耐えきれたのだった。

