(―…)
ああ、鳴っちゃった。
…皆にバレてない、かな。
辺りをそろっと見回すと
丁度……成瀬くんと目が合った。
(こういう時に限って、寝てない…)
「―… お腹空いた?」
先生に聞こえない位の小さな声で、成瀬くんに問い掛けられる。
「…うん、聞こえた?」
「ばっちり」
(……恥ずかしい)
「ん」
いきなり成瀬くんが、
グーにした手をこちらに差し出してきた。
「…なに?」
「手、出して」
恐る恐る成瀬くんのグーに下にわたしのパーを出す。
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