腕を引っ張る西本君。
「あ…!」
明るくなった視界に、一瞬だけ入る″幼馴染″
「結衣…!」
西本君に引っ張られる私を呼び止めるかのように輝が私の名前を呼んだ。
輝が私を呼び止めてくれるなんて…
「自分の″もの″が取られて、嫉妬しちゃうなんてガキだな」
前を歩く西本君が、まるで私に勘違いさせないようにそうつぶやいた。
もの…。
ずっと一緒にいた私たちは、たしかに特別だ。
他の人には変えられない″幼馴染″
でもそれは輝にとっては恋愛感情なんかじゃなくて、居て当たり前のもの。
私は輝のそばにいて当たり前。
そんな私が、急に現れた男にひょこっと持っていかれたら誰だって良い気はしないだろう。
そうだ…きっと輝もその気持ちで私の名前を呼んだんだね…。
「西本君って大人だね」
自分の都合の良いように軽く勘違いしちゃう私に、正論を突っ込んできた。
「俺は大人だよ。他のやつとは違う」
冗談か本気か、にやりと面白そうに笑った西本君は、まだ私には手に負えそうにない。

