君が親友を好きだと確信したのは、あの日だった。


あれから数日後。

クラスでどこから始まったのか、男子達が好きな人について話をしていた。


そこには彼の姿もあった。


「お前は好きな人いねーのかよ!」

「いねーよ。お前こそどうなんだよ」

「俺もいねー」


ギャアギャアと騒ぎながら話していて、正直に言うと、うるさい…。


っていうか、好きな人いたとしても素直に答える人なんているのかなぁ?


「お前はどうなんだよ、彰」

思わず、ドキッとした。

つい気になって、聞いてしまったんだ。


聞いた後、すぐに後悔した。

『聞かなきゃ良かった』って……。


「いるよ、好きな奴」

「「ヒューヒュー!」」

「で、誰なんだよ。その好きな奴ってさ」

「…………中野」


かなり小さい声だったけど、私には聞こえてしまった。


私の頭の中で、"やっぱりね"っていう気持ちと、"聞き間違えだよね"っていう、信じたくない気持ちがぐちゃぐちゃに入り交じっていた。