う〜ん…ダメだぁ。

考えてみたけど、分かんない。

結局、夏川君が誰を見ていたのかは分からなかった。

まぁ、ただの私の勘違いかもしれないし…。

あんまり深く考えない方がいいのかな。


私はさっき新しく華波ちゃんから借りたばかりの本を開いた。

やっぱり、この本面白いなぁ♪

ページをめくるごとに、どんどん本の世界へと引き込まれていく。


「それ、面白いの?」

「うんっ! すごく面白いよ! 特に主人公の女の子にすごく共感できて……って、えっ!?」

目の前に立っていたのは、夏川君だった。