「ありがとっ、すっごく面白かったぁ!」

"はいっ"と、華波ちゃんに借りていた本を返した。


「面白いよね♪ あっ、続きあるよ!」

「わぁ、ありがと! 絶対に返すね」

「ははっ、返すのは当たり前でしょうがっ!」

パシッと軽く叩かれた。

「あははっ。 うん、早めに返すね」

そんなやり取りをしていると、ふと後ろから視線を感じた。

振り返ってみると、夏川君と目が合った。


夏川君はすぐに目をそらしたけど、私は夏川君から目を離すことが出来なかった。


誰を見てたんだろ…?

もしかして…私?

それとも、華波ちゃん??