「はいはい、悪かったな」
三上は私の目の前にストラップを翳した。
私はそれを受け取って、三上にもう一回お礼を言って家へと向かった。
アイツ、今度私がアイツの物拾ったら捨ててやる!
私は頬を膨らませながら家の玄関を開けた。
「ただいまー!」
「陽菜っ」
玄関で靴を脱ぐとお父さんが走って私の元へと来た。
家についた途端にお父さんが私の所へ走ってくるなんて何かあったに違いないけど…
「お前にお客さんが来てる、行くぞっ」
「え?ちょっ、わっ!」
お、お客さん??
お父さんにガシッと腕を掴まれリビングの方へと走る。
「な、何?」
「陽菜、聞いて驚くなよー?」
聞いて驚く…?
帰った途端に何を言っているんだろう。
私はまだ何となく状況をつかめないでいた。

