「これ」 三上は自分の顔の前に可愛いウサギのストラップを翳(カザ)す。 「あっ!そ、それっ…!」 私は急いで自分の鞄を確認する。 「…なっ無い!」 私は三上を見る。 背の高い彼を背の低い私が見るとなると見上げなければいけないのが、少しムカツク。 「…拾ってくれて、どうも有り難う、返して」 「…どーしよーかなー?」 「早く返して」 私は三上をキッと睨む。 「おーコワっ、んな目して返してもらえると思うなよ」 「…じゃあもういい」 私は方向を変えて自分の家へと歩き出した。