校門にはもう翔太くんや由美は居なかった。 デート…いいなぁ… 私は生まれてから一度もデートとかした事が無い。 まず彼氏を作った事が無いんだよなぁ… ゆっくりと校門の所を曲がった瞬間、誰かに強引に肩を掴まれた。 「いっ…」 あまりに力が強くて、思わず声を出してしまった。 「吉川」 「え…」 振り返るとそこに立っていたのはクラスメートの男子。 「ぎゃっ!み、三上ぃっ!?」 「…俺を見てなんでぎゃっとか言うんだよ、失礼だな」 彼、三上悠夜(ミカミユウヤ)はムスッとした顔で私を睨んだ。