あの料亭で、入ってきた女が…吉川だ。
フワッとした薄い水色のワンピースを着て髪は綺麗にセットされていた。
しかも薄くメイクまで。
その姿を見た時は一瞬本当に赤の他人だと思ったけど。
驚愕以外の何者でもなかった。
内心、これはドッキリか?と思ったがどうやら事実らしい。
これを、受け入れるしかなかったんだ。
あの時、親父から婚約者が出来ると言われた時、本気で親父を殴ってやろうかと思った。
実際俺は好きな奴がいたし、何より将来の事を考えてくれるのは嬉しかったが、決められている感じがして嫌だった。
確かに有名会社の社長の息子だという自覚もあるつもりだし、世間からの目だってある。
だけど、その時は一応承諾した。
婚約者を受け入れると、親父に伝えた。

