私にはお母さんが居ないから実質2人きり。
お手伝いさんもこの広い家にはいない。
家事は出来るから呼ぶ必要も無いと思っていた事が仇になった。
「2人で協力して、頑張るんだぞっ!」
楽しげに言うお父さんの顔はそれはそれは面白そうに笑っていた。
「さ、陽菜、悠夜くんに部屋を案内してあげて」
「……はい」
私は渋々了解すると三上を連れて部屋へと行く。
お父さんがいなくなり、2りきりになる。
静かな沈黙。
当たり前だ、いきなり仲の悪かった奴が婚約者になんてなったら何を言っていいのかもさっぱり…
「…吉川」
「はっ、はいぃっ!」
後ろからいきなり呼ばれてびっくりする私。

