大の、しかも社長と言う身分の大人が唯の女子高生に頭を下げる気分はどんなだろう?
「陽菜、もしも、本当に、本当に嫌になったら取り消してもいいんだ」
お父さんは私の頭に手を置きながら話した。
「もしも、本当に嫌になったら言ってくれればいい、そしたら婚約と言う話は無しにしよう」
お父さんは私の瞳をジッと見つめる。
「だから、この話を受け入れてはもらえないか…?」
お父さんは私にお願いをするような目をした。
「…分かった、いいよ…」
私は頷きながら呟く。
「陽菜ちゃん…!」
「陽菜、良く言った!」
お父さん達は私にありがとうと言って、満足気に笑った。

