「…君、そして私の息子もだが、お互いに社長の子なんだ」
私はぎこちなく頷いた。
「もしも、一般人…普通の子と付き合って結婚するとなったらどうだろう？」
私はよく意味がわからずそのまま将也さんを見続ける。
「きっと、私たちは良くても、周りの親族なんかからも反対されるだろう」
それは、そうだ。
周りが認めないかもしれない。
「そうして、周りのせいで離れ離れになる…そんな悲しい思いはさせたくは無いんだ」
将也さんは少しだけ寂しげな表情を浮かべる。
「だからっ！君達を婚約者にしちゃえばいいんじゃないかって事になったんだよ！」
「……そう、ですか…」
「大丈夫、お互い社長の子だし、周りからも認められてる…って事で陽菜ちゃん、どうだい？かなり強引だが…婚約者にはなって、くれるかな？」
将也さんは私に頭を下げた。
