好きで好きで堪らない娘ができた。




今までとぎれる事無く彼女は居たけど、どれも長くは続かなくてそんなに夢中になることはなかったのに―――――。








一か月ちょっと前。ちょうど付き合ってた彼女とお別れしたばっかりだった。





理由は簡単。夢中になれる存在じゃなかったから。泣いて縋られたけど、友達に戻ろうって笑顔で別れた。





特別新しい恋を探してたわけじゃないけど、俺のバイト先にたまたま来てた大学生の姉貴のサークル仲間から「妹なんだ。可愛いだろ」と見せられた写真。




見た瞬間、脳天から爪先まで稲妻が走った。(ような感覚だった)運命の相手にビビビとくるとはよく言ったもので、本当にそんな感じ。



今まで付き合ってた娘達とは全然違うタイプ。



ボブの黒髪。コットン素材のワンピ。色白で化粧っ気がないんだけど、大きな犬の隣りで微笑んでる笑顔がフワッとしてて緩くて超カワイイかった。




写真なのになんかとってもギューって抱き締めたくなった。




自分の好み、実はこうだったんだと軽くショックだった。間違ってたから今まで夢中になれなかったんだな……。




その人にすぐにその娘の事を聞いた。






伊藤真琴ちゃん、俺と同じ歳。都内の女子高に通ってる。



そして一度も彼氏がいたことがないらしい。イコール男に免疫が無いってこと。

「一時の気紛れで気安く妹に近付いたらコロすよ♪」って釘刺されたけど、そんな事ぁ関係ない。だって俺超本気だもん。





それからは頭ん中は真琴ちゃんのことばっかり。




どんな娘なのかな。



どんな声なんだろ。





俺がフリーになった噂はすぐ広がってモーションかけて来る娘は沢山いたけど、俺の中にはもう他の娘が入り込む余地がないくらい。




それからしばらく後に運命の出会いを身を持って経験したんだ―――――