Bloom ─ブルーム─

「元気?」

なわけないのはわかってるけど。

沈黙になるのが怖くて、話題を探す。

「正直、結構へこんでるよ、俺」

「うん、わかってる」

「なら、元気?とか聞くなよ」

「ごめん」

「別に謝んなくてもいいけどさ」

「そうじゃなくて、あのときさ、ステージで無理やり告白させちゃって、ごめん」

直人は、コーヒーをごくんと1口飲んだ。

そして小さなため息をつくと

「もっと早くお前に言ってもらえたらよかったのになぁ」

遠い目をして言った。

「怒ってないの?」

もっと早く?って?

「もっと早くお前に背中押してもらって、ハッキリ告白できてたら、今が違ってたかも。山本先輩に友里亜が出会う前にさ。

って、俺が情けなくてだらしなかっただけなんだけどさぁ。

友里亜、最近お前に似てきたのかなぁ。授業そっちのけで職員室走ってくし、先生にわかってもらったら今度は俺のとこきて『直人は大切な友達だから、またいっぱい話せるようになりたい』って言ってくるし」

友里亜、ちゃんと自分で考えて動き出そうとしてくれたんだ。

あの友里亜がそんな風に行動を起こすなんて、きっとすごい勇気が必要だったはず。

そう思うと胸が熱くなった。