あたしの証【完結】

「---!!!」



まだ言おうとしたあたしの腕を乱暴になつきは掴んだ。



そして部屋の中に強引に連れ込んだ。


掴まれた箇所が痛い。
でも、抗うことなんて出来ず、あたしはどうにか靴だけ脱いでなすがままにされた。


どさっとあたしをベッドに押し倒す。
上着を脱ぎながら、あたしに迫るなつき。



「……な、なつ…」







あたしはそれを見つけてハッとする。
なつきの裸の一点。
あたしの名前を見つけた。


その下の赤黒いバラ。



“一生憎むって意味なんだよ”




それを見て涙が頬を伝う。


「………」


あたしは黙って目を閉じた。
なつきを傷つけたのはあたしだ。


あたしがこうなるのは仕方ないんだ。



一生消えないその刻印を見て、あたしの儚い願いは浅はかだったとそう、痛感する。

一生憎むって意味は、あたしには理解できなかったけど。
だけど、余程の事をしてしまったのだろう。



大好きな人に雑に扱われてしまうのは。
とても苦しいけど。

これでなつきの気が収まるなら。


おもちゃにされてもいい。