あたしの証【完結】

マンションにつくと、あたしはなつきの部屋に急いだ。
ドアの前で一息つくとインターホンを押す。

いくら待っても出て来ない。



ゆっくりとドアノブに手をかけた時。
先にドアが開いてなつきが出て来た。


あたしだというのをわかってたのか、その顔に笑顔なんてものはない。


「……何の用?」


さっきと同じ様に冷たい瞳。



「……ごめんなさい」

「は?」

「なつ、き…のこと傷つけた」

「……」

「あたし、初めて人を好きになったから…
これで終わりだなんて信じられなくて」

「黙れ」


急に発せられた低い声にびくりとする。
怯えるあたしを見て、なつきの目が一瞬揺らいだ。

あたしはこの瞳を知ってる。
あたしといた頃のなつきだ。



「…なつき。全部嘘なの…?」

「ああ、そうだ」

「本当に…?あたしのこと嫌いなの?」

「ああ」

「あたし!でも!」