あたしの証【完結】

“あんた、なつきに惚れたら泣くことになるよ?”



ぎりっと奥歯を噛み締める。
なんだって言うんだ。

少しは幸せに浸らせてくれてもいいんじゃないんだろうか…?
何をしたかったんだろう。

あたしと、なつおが破局して欲しくて言ったのだろうか。


どうしようもない憤りを感じながら、あたしはその作業を見つめた。
心ここにあらずで。



ぼーっとしながらなつおの背中を見つめる。
その綺麗な…色に触りたい。

そう思った。



「よし!今日は終わり!」

「お疲れ様です、きょうさん」

「代金はバイト代からとるし、気にするな」

「ええ~??」


笑いあいながら二人があたしを見て固まった。

…?
どうしたの?


「…どうした、あかり」

心配そうな声で尋ねてくるなつお。
どうしたって…?



「あかりちゃん、何があったの??」

またまた心配そうな顔して訊いてくるきょうさん。
何もないけど…?



ぽたっと、あたしの手に何かが垂れてやっと気付く。
自分が泣いてることに。