「ふっ…」

「何?」

「え?」


クスクス笑うあたしにそいつは訝しげな顔をする。


「だって、なんかMっぽいじゃん、あたし」

「え?違うの?」

「違うって」

「完璧俺ん中ではMだったよ」

「やだな、もう」



この彫師とはもう三年の付き合いになる。


あたしはあの日この人に拾われた。
彫師の彼に。


でも、付き合ってはいない。
彼もあたしに興味はない。


だって、彼は男しか好きじゃないし。


たまにあたしには魅力がないのか?ってへこむけど、そうじゃないみたい。

名前はゆうや。
年は28歳。
あたしは今年、23歳になった。


あたしは今までスれてたわけでもないし、どちらかといえば真面目だったと思う。

昔の級友が今のあたしを見たら、きっと驚くんだろうな。


だって。