あたしの証【完結】

「俺、あん時本屋で見つけて。
本当に嬉しくって」




なつお。


「ねえ」



なつお…。


「俺ら、付き合わない?」





なつき………






あたしの答えはもちろん。



「…………………付き合う…」



再会して数日なのに。
こんな気持ちになるなんて。

まさか、あたしが好きになるなんて。



あたしはこの気持ち、大事にしたかった。
初めて好きになった人。



その後、あたし達は恋人として改めてデートした。

あたしとなつおは時間も忘れて楽しんだ。


「まだ時間平気?」

気付けば、辺りは随分暗くなっていた。
好きな人と一緒にいると、こうも時間が経つのは早いんだなって思った。


「大丈夫だけど」

「じゃ、連れていきたいとこあるんだけど」


あたしは黙って頷くと、なつおは笑顔であたしの手を引く。
わけもわからぬまま、あたしはなつおに着いていく。



「ここ」

どー見ても、そこはあたしには普通のマンションにしか思えない。


「ここって…?」

「行けばわかる」

意味深に微笑むと、すたすたとマンションになつおは入る。
慌てて、あたしはその後ろに着いていく。


階段を上がって角の部屋で立ち止まると、なつおは勝手に中に入っていく。


「ちょ、な…」


あたしはそのドアのに貼ってあった看板に目をやる。

【TATOO STUDIO】


…これって。
もしかしてなつおが働いてるとこ?


ドアノブに手をかけて中に入る。
お香の匂いがあたしの鼻をつく。