あたしの証【完結】

「あかり、どっか行きたいとこある?」

「うーん、特にこれってのは…」

「なんだよ、つまんないやつだな」

「失礼ですな、そういうなつおは?」

「うん、俺もないな」

「なんだそりゃ」

「んなわけないだろ!こういう時は映画だな」

「いいね、映画。考えたら見たいのあったし!」



こってこての恋愛映画だけど、いいかな…?



「いいね、それ見よう!」

「うん!」



あたし達は映画館に向かった。




――――…

「…ずずず」

「…………なつお、いつまで泣いてるの」

「だってさ、あのあそこ。主人公が彼のために死ぬとことか。もう」


なつおは思い出しては目を潤ましている。
こんな涙もろかったのか。


あたしは苦笑しながら、なつおにハンカチを差し出す。


「…ありがと」

そのハンカチで涙を拭いてなつおは呟く。

「俺、まじだっせえ」

「…………いいんじゃない?」

「え?」

「あたし、嫌いじゃないけど」

「あかり…」


ヘヘって笑いながら、なつおはあたしの手を握ってきた。

いきなりすぎて、あたしは思わずなつおの手をはじいてしまう。


「あ」


「……い、嫌だったよな。いきなり。…ご。ごめん」


なつおは気まずそうに頭をかく。



違う!
違うよ!

嬉しかったの!

だけど。
あたしの中のしみが…
あたしにストップかけてんの。


なつおに惚れたらダメだって。