「真っ直ぐ俺にぶつかるお前が、痛くて痛くて。
俺は…本当に。
今もぐちゃぐちゃだよ…」
あたしの頬を触る手が微かに震えている。
ずっとなつきも戸惑っていたのだろうか。
復讐という呪縛に縛りつけられたなつきは、だから厄除けしようと狐を彫っていたのかもしれない。
あたしが
「何かに取り憑かれているの?」
と尋ねた時、なつきは微かに笑って冷たい瞳をしていた。
何かの正体は目の前にあったから。
「俺、連絡もらえた時本当に嬉しかった。
もう、二度と会えないと思ってたから。
夢だと思った」
なつきがそんな風に考えていたなんて。
全然知らなかった。
「もしかしたらやり直せるかもしれないって、浅はかな希望を持ってしまったんだ」



