「来い」
「あ、うん」
あたしは持ってた雑誌を丁寧に机に置くと、急いで扉に向かう。
「あ、なつ。
俺ちょっと出かけてくるわ」
「え?きょうさん、なんかあったんすか」
「あーまあ、ちょっとね」
「…わかりました」
「あかりちゃん、ごゆっくり」
あたしに軽くウインクをして靴を履いて外に出ていってしまった。
………もしかして、なつきと二人きり…?
それにあたしは酷く意識をしてしまい、緊張する。
「早く、座れって」
「あ、はい」
なつきに促されて、あたしはいそいそと施術台に腰掛ける。
「…どんなん彫るの?」
「あ、えーと」
「……」
「簡単に絵に描いてきたの」
「は?」
「あ、下手くそだけど笑わないでね」
あたしは必死に何度も何度も書き直した紙を出してなつきに見せた。
それを見てなつきの手が止まる。



