「とーっても喉渇いてるんだけど、俺の喉を潤すついでに来てくれない?」
「……ふふ、うん」
その言い方が面白くて。
やっぱりあたしはまたれんに甘えてしまうんだ。
どこまでも卑怯で都合いい。
キャラメルフラペチーノと、コーヒーを持ってスタバ前の道ばたにしゃがみ込む。
「はい、キャラメル」
「ありがと」
あたしはキャラメルフラペチーノを受け取ると、一口飲み込む。
甘さが口の中に広がって、やっと頭が少し稼働する。
「…あかり、俺ね。
前を向くことにしたんだ」
コーヒーのカップを眺めながら、真剣な口調でれんが語りだす。
「あかりが刺された時、俺本当に心臓が止まるかと思った。
あかりが死ぬなんてことがあったら一緒に死んでもいいとさえ思った」
カップの底を指でなぞりながら、れんは続ける。
「でも、その刺された原因は俺だったし。
ゆうやさんに殴られて、やっと気付いたってゆうか」
「殴られた…の?」
「ああ、結構思いっきり」
にやっと笑いながらあたしをちらっと見る。
あの音の正体はそれだったんだ。



