あたしの腕を掴む大きな温かい手。
あたしはその手を知ってる。
「……れ、ん」
心配そうな顔をしながらあたしの瞳を覗きこむ。
吸い込まれそうな、瞳。
「……史上最大に“ここ”にいない…けど。
何かあった?」
あたしはふるふると首を振った。
れんはそんなあたしのことなんかお見通しだろうけど、あたしはれんに甘えられない。
最後、れんは切り裂かれるような思いであたしに別れを告げたんだ。
ここであたしが甘えるわけにはいかない。
「…嘘」
さっきよりも強く首を横に振る。
「……ま、とりあえず、こんなとこにいんのもアレだし、スタバでも行かない?」
「………」
「俺、ゆうやさんとこの帰りで」
そう、言いながら大袈裟に身振り手振りでジェスチャーする。



