あたしの証【完結】

「今のなつお、ちょーいいと思う」

「…本当?」

「うん。本当」


ぶっきらぼうに、空を仰ぎながらあたしは言った。


なつおは心底安心したように溜息をつく。

てか、そんなこと心配してたんだ。
なつお。
中身は変わってないのかな。


やっと会話出来たのに、今度はあたしの家に到着してまた会話が終わりになる。


…もう少し話したかった。
けど、家の前では嫌だった。


「なつお、今日はありがと。それじゃ、おやすみ」

「ちょっと待って」


なつおがあたしの腕を掴む。
それにドキンと心臓が跳ね上がった。


「あのさ」

なつおの動く唇に全神経が集中する。



「また、明日も会える?」


ドキドキがなつおに聞こえるんじゃないか、ひやひやしちゃって素っ気なく

「あ、うん。大丈夫。」

と、答えるあたし。



ああ。
やっぱりあたし可愛くない。


「…そか。じゃ、後で帰ったら電話する」

「わかった」

「それじゃあね」



無言で手を振って、彼を見送った。
彼がいなくなるのを見届けてから、あたしは静かに家に入る。