あたしの証【完結】

そこへ料理が運ばれてくる。
思ってた以上のボリューム。

当初のパフェのみとは比べ物にならないぐらいの。


一口ずつ食べてると

「なつきじゃね?」

なつおを“なつき”と呼ぶ人。


二人して、声がした方に視線を向ける。
ちょっとギャルっぽいお姉さんと、とても綺麗な姉キャンに出てそうなお姉さんの二人組。


「あ、まじだ。なつきだ」

「あ。れな、…しほ」


ちくん


なつおが彼女達を呼び捨てにしてる。


あたしのどこかでチクンと何かが痛む。
忘れてた感情。



「てか、女連れ?珍しいね、こんなタイプ」

「バカ、彼女は昔の同級生」

「あー!なるほど。そーいうことね」


ふ~んと、二人の女はあたしを舐めつくすように見て

「じゃ、仲良く~!」

と、ニヤニヤしながら席へと向かった。


なんなの?
てか、誰?



「ごめん、ごめん」

「…いや、大丈夫」


しばらく沈黙が続く。
それを破ったのはなつお。



「さっきのは俺の元カノ」


それにまた、あたしのどっかがチクンと痛む。
さっきよりも強く。



「そ、そうなんだ。どっち?」

「あの髪の毛が長いほう」


姉キャンか。
勝手にそう命名する。

なんか、戦う前から負けた気分。


なんだこれ。



「でも、すぐ別れたんだけどね」


返事もせず、あたしは黙々と大量にある目の前の料理を食べた。
てか、そんなんあたしには関係ないし?

別に気にしなくていいし。


「木下…?」

いつの間にかさん付けでなくなってることに気付く。


「…あかりでいいよ」

「え?」

「皆あかりだったし」

「……わかった」



あたしは目の前にある料理に目がいってたから…。
本当のことを言えば彼を見れなかったから。

悲しい顔をする彼を知ることが出来なかった。