さっきの掲示板の文字が、あたしの頭を支配する。
そこで携帯が鳴った。
相手はれんさんだ。
震える手を伸ばして、あたしは着信を受けた。
「もしもし」
「あかり?」
「うん」
「掲示板見た?」
「…今、ゆうやに見せてもらった」
「……俺、信じてるから大丈夫だから」
その声は電話越しでもわかるほど、震えていた。
「もちろんだから。
あたしは裏切るようなこと絶対しない」
「…………わかってるけど、ちょっと。
…今から会える?」
「うん。すぐ行く」
「じゃあ、迎えに行く」
「いつものコンビニで」
「わかった」
ゆうやの家を教えるってことはりなさんの存在を知られるかもしれない。
あたしは胸を張って二人のことを言える。
だけど。
赤の他人から見たら男同士って。
やっぱり理解出来ない部分があるのかもしれない。
だからあたしはゆうやの家を教えることがどうしても出来なかった。
ゆうやに聞いたら教えていいよって言うんだと思う。
だけど、れんさんはゆうやの家を知らなかったし、それをあたしが教えていいのかと思って。
考えてたらどうしても言えなかった。



