「え?」
「いや、まじで」
「な、んで」
「何でって言われても。
なんか、なんだろ?
ほっとけない雰囲気?」
「何それ、そんなんないよ」
「あはは、でも、まじで初めて話した時、なんか。
“ここ”を見てないとゆうか」
「ここ?」
「うん、“ここ”。
現実を見てない感じだった」
「…そうかも」
「薬とかしてる感じでもなかったし、アルコールも入ってなかったし。
なんか、あるんだなって思ったら気になっちゃって。
色々聞いちゃった。
本当は職業とかって聞かない方がいいんだよね」
「そうなの?」
「まあ、ホストにはまる子の中には現実を忘れたい子もいるわけで。
現実に戻っちゃうから仕事の話とかは極力しないんだよね」
「なるほど」
「特に初対面だったらなおさら。
だけど、なんかあかりちゃんのこと知りたくって」
「そういえば、令嬢とか言われたなあ」
「ぶ!言ってた、俺。
何言ってんだろうな」
「まあ、うち、親が役員とかだから金には困ってなかったけど…」
「…あ、また見てない」
「え?」
「“ここ”」
「…!」
「家庭になんか、問題あるの…?」
「…うん」
「……無理には聞かないから」
「いつか、話すね」
「うん、待ってるから」
「ありがとう」
「……俺。
さっきからずっと抱きしめてるから、結構理性飛びそうなんだけど。
だけど、離れたくない。
どうしたらいい、これ?」
「あははっ、何それ」
「う、まじその上目遣い反則」
「ええ~??」



