あたしの証【完結】

ってか、さくやさん料理するのかな?
なんか、結構調味料とかあるし、道具も一通りそろってるし。

………




女の人かな…。


ホストだし、部屋に来たりとか。

ある、よね。


嫌な想像があたしを支配する。
そして思い出す。


あの時の光景。
散乱した下着と衣服。

なつきの冷たい瞳。



それが頭を一気に過る。

そして、静かに一筋の涙を流した。


「あ…はは。
だめだね、あたし」


壁に寄り掛かると、あたしは手で顔を覆う。


そこに、携帯の着信音が流れた。
涙を拭って、携帯を確認するとさくやさんだった。


それはまるで、あたしを心配するかのようなタイミング。
さくやさん…。


「もしもし」

「あ、あかりちゃん」

「ご飯作ったからね」

「ええ、もう?!手際よすぎじゃない??」

「あは、そんなことないよ」

「うわーまじ楽しみなんだけど」

「期待しないでね」

「いや、もう、しますから。
あ、はーい、呼ばれた行くわ。
今日はアフターしないから」

「わかった、お疲れ様」

「ありがと、疲れたら寝てていいからね」

「はーい」


電話を切った後、あたしには温かい気持ちだけが流れていた。
さっきまでの黒い気持ちは消えてしまった。



さくやさん、凄いな…。



少しでも部屋が汚かったら勝手に掃除とかするんだけど、綺麗だし…。
することないなあ。

さくやさんが帰ってくるにはまだ数時間あるだろう。


素直に寝てようかな。
うん、そうしよう。


ベッドに横になるのは気が引けたから、あたしはソファに横になる。
仕事で疲れてたこともあり、すぐにあたしは深い眠りに落ちた。