あたしの証【完結】

「ただいまー!」

家まで到着すると、あたしは勢いよく玄関を開ける。

「おかえり~」

機嫌のいいりなさんの声が返ってくる。





「あ、いい匂い。
今日のご飯なーに?」

「今日はお鍋~!
野菜摂れるしいいのよね」

「わーー楽しみーー」



りなさんの料理は本当にいつもいつも凝っていて、あたしはそれが毎日の楽しみでもあった。


今日のお鍋も、トマト鍋でチーズが入っている。



「あかりちゃん、いいことでもあった?」

「え?」

「なんか、ずっとにこにこしてるから」

「あ、わかる?」

「うん、わかるわよ」


そうやって、わかってくれる事が嬉しく思う。
そして、そう話せる事が嬉しく思った。

照れながらあたしは続ける。


「実は…好きになれそうな人がいて」

「ええええ!誰!」

「…ゆうやのお店のさくやさんって人」

「あああーーー!!!
あの可愛い子!」

「知ってるの?」

「知ってるわよー。
会ったことはないけどね」

「会ったことないんだ」

「まあ、会えないわよね。
だけど、ゆうやからよく話聞くの」

「そうなんだ」

「ゆうやのお気に入りだからね。」



そうなんだ。
ゆうやのお気に入り。