「俺だって高校三年になりたいって思って、それから猛勉強して大学受かったんだし」
「あたし、二年もロスってる」
「遅い、早いじゃねえって。大丈夫。見つかるよ」
「そうかな」
「うん」
「…てか、彫師に絵のセンスって必要なんだね。初めて知った」
「まあ、下手だったらいいタトゥー彫れないしな。結構奥深いんだぜ」
そう言う、なつおの目はキラキラしてる。
「絵の一つ一つに意味とかあってさ」
「そうなんだ。じゃあ、なつおのその腕のにも意味あんの?」
「…もちろん」
「へえ。どんな意味?」
「魔除け」
「は?」
そう言う、彼の腕を再度見る。
「こいつは狐なんだけど。詳しく言えば九尾ね。意味としては魔除けとか厄除けとか。
まあ、色々な意味あるけど俺はこれが主かな」
「魔除けって、なんかにとりつかれでもしたの?」
あたしがそう尋ねると、また、なつおはあの瞳をする。
酷く、冷たい瞳。
「とりあえず、腹減ったからなんか頼もうぜ」
「あ。うん」
あたしの質問には答えず、なつおはメニューを開く。
訊いたらいけないことだったのかな。
訊くのやめとこうかな。
あの瞳。
なんか、見ると心臓が止まりそうな。
なんていうか、冷たいというか。
うまく言えないけど。
こんなににこにこしてる彼からは想像できないような。
冷徹な瞳。



