自分の部屋に入った途端。
水風船が割れたかのように、あたしからとめどない涙が溢れた。



悲しいのか。
寂しいのか。

わからなくて。


理解出来ない感情が苦しくって。


もしも。
もしあたしが。


また誰かを好きになるなら。



それならば。



さくやさんがいいと思った。


あたしはもしかしたら利用しようとしてるだけかもしれない。
その時はこの苦しさから解放されたくて。


だから。
帰ってきたゆうやに


「さくやさんと会いたい」

一言、そう告げたんだ。




ゆうやは疲れた顔だったけど笑ってくれた。
あたしはそれに胸が痛んだ。