千珠だけがおろおろとして、二人を交互に見つめていた。

しばらく続いた沈黙の後、最初に口を開いたのは由加里だった。

「ねえ、ひとつだけ訊きたいんだけど?」

武は千珠を見たあと、ゆっくりと頷いた。

そして由加里の質問を待つ。

それは予想していた通りのものだった。

「あんた本当に四百年も生きてるの?」

口調こそまだ穏(おだ)やかだが、由加里の瞳には、どうせウソなんでしょ? そんな感情がありありと浮かんでいた。

武は視線を外すことなく、小さく頷いた。

すると由加里はこう続ける。

「証拠見せてよ」

今までにもこう言った人はいたが、彼女の言葉には格別にイライラさせられた。