由加里は千珠をお昼に送り出し、伝票の整理をしていた。

午前中に四組のお客が店に現れ、そのうちの若い女の子二人が買い物をし、あとは冷やかしのようなものだった。

最初のうちは、「見るなら何か買ってけよ!」などと思い、イライラすることも多々あったが、

最近では、「商売なんてそんなもんだ」誰かが言ったこの言葉の通り、そんなもんだと思うことにしている。

そう思ってしまえば、あまり気にはならなくなっていた。

時計を見ると、千珠が出て行ってから三十分が過ぎようとしていた。

そろそろ帰ってくるかな。

そう思っていた矢先に、若い二人組みが店内に足を踏み入れた。