【航side】

今すぐ、あっちに行きたい。

気持ちはそうでも、

目の前の仕事は、オレを待ってはくれない。

・・・

イライラしながら、

毎日を過ごしていた。

・・・

2週間すれば、

向こうに行ける。

それまでに、何もかも終わらせていよう。

・・・

そんな日を送っていたある日、

常務室の扉が勢いよく開いた。

驚き、そちらに目をやると、

息を切らせ、

手には書類の束を抱えた宮崎が立っていた。

・・・

「どうしたんだ、そんなに慌てて?!」


「書類が・・・」


「・・・え?」


「徳間社長の悪事についての書類が、

すべて揃ったんです」


「それは本当か?」

「・・・はい」