そして、顔を横に向けたまま口を開いた。 「ひとつだけ頼みたいことがあるんですが」 態度は悪いが口調はかしこまっていた。 「なんだ?」 サトウはサイドミラーを覗き込みながら用件を訊いた。 「現場に残っていた白い粉の成分分析を最優先でお願いできませんか?」 「かまわないが、どうしてだ?」 「犯人を自白させるための材料になるからです」 サトウは携帯で鑑識に連絡して白い粉の成分分析を急かせた。