吸血鬼は淫らな舞台を見る



「わかった。おれはチケットを忘れたことに気づいてコンサートがはじまる前に一度家に帰った。でも、それが息子を殺したことにはならない」


「チケットを忘れた?ということは家に帰られたことを認めるんですね?」

 瑠諏の目が細くなる。


「ああ、そうだ」

 武は開き直るように返事した。


「どうしてそんな重要なことをいままで隠していたんですか?」


「疑われると思ったからだ」


「息子さんが殺されたのに自分の身が心配なんですね」

 瑠諏の言葉が効いたのか武は下を向いて黙った。